鉢植えを枯らさない
育てるのが苦手な人へ、ベランダ菜園の置き場所と水やり
- 著者
- 土屋 佳代
- シリーズ
- ベランダの緑 シリーズ 第1巻
- 分野
- ベランダ菜園・植物
- 形態
- 電子書籍(Kindle)/紙書籍
- 出版社
- 文灯社
また、枯らしてしまった。乾ききった土を袋に入れて、鉢を洗って、立ち上がったときに「やっぱり、わたしには向いていないな」とつぶやく。何度か鉢を買って、何度か枯らして、それきりベランダが静かになっている。この本は、そのつぶやきを取り下げてもらうために書きました。
枯らす体質というものは、ありません。枯れる理由は、たいてい二つに集まります。ひとつは、置いた場所が合っていなかったこと。もうひとつは、水のやり方が合っていなかったこと。しかも、足りなかったのではなく、多すぎたほうがずっとよくあります。心配になって水をやる。元気がないから肥料も足す。それでも戻らないので、もっと大きな鉢に移してみる。よかれと思ってやったことが、順番に重なっていく。
この本には、植物ごとの育て方は書いてありません。いつ何をするかの一覧表も、植え替えの手順も、虫や病気の見分け方も出てきません。土や肥料の銘柄もすすめません。買ってほしい道具もありません。たくさん収穫する方法も書きません。
書いてあるのは、判断のしかたです。どこに置くかを、どう決めるか。水をやるかどうかを、何で決めるか。うまくいかなかったとき、次に何を変えるか。ベランダは、屋根の下の屋外です。雨が入らず、風で乾きが早く、床や壁からの照り返しがある。まず自分のベランダに席がいくつあるかを数えて、その席に合うものを選ぶ。そして、カレンダーではなく鉢を見て、乾いていたら、底から流れ出るまでたっぷり。
続けている人は、枯らさなかった人ではなく、枯らしても続けた人です。だから始め方は、たくさんではなく、一つだけ。毎日目に入る場所に置いて、待つことも世話のうちだと知っておく。枯れた鉢のあとに何を変えるかまで、この本は一緒に決めます。
生き物ですから、条件を整えても枯れることはあります。それでも読み終えるころには、枯れた理由を自分の性格に置かなくなっているはずです。直せるのは、置き場所と、水を足すときの見分け方。そのふたつが分かっていれば、次の一鉢を、落ち込まずに置けます。