大人のやり直し英語
単語も文法も教えません。何度もやめてきた大人の学び直し、続かなかった理由と戻る場所
- 著者
- 早川 奈津
- シリーズ
- もう一度、英語 シリーズ 第1巻
- 分野
- 学び直しの英語
- 形態
- 電子書籍(Kindle)/紙書籍
- 出版社
- 文灯社
本棚の端に、英語の参考書が何冊か並んでいます。背表紙はきれいなのに、開いてみると、最初の数十ページだけが少し黒ずんでいる。そこから先は、買った日のまま白いままです。そして今日も、あなたは新しい一冊を探しています。「自分は英語に向いていないのかもしれない」。そう思ったことがあるなら、この本はあなたのための一冊です。
向き不向きの話ではありません。意志の話でもありません。止まってきたのは、学校のときのやり方のまま、全部を、一ページ目からやり直しているからです。大人のやり直しには、大人のやり直しの作りがあります。始める地点も、降ろしていいものも、戻る場所も、教室のときとは違います。
この本は、単語を一つも教えません。文法も教えません。教材も、道具も、何ひとつすすめませんし、名前も出しません。短い期間で話せるようになるとも書きませんし、試験の点も約束しません。書いてあるのは、次の一冊を開く前に決めておくことだけです。
決めることは三つ。なぜ、これまで止まったのか。何を、降ろしていいのか。どこから、戻るのか。まず、ゼロだという思い込み、毎回ふりだしに戻る癖、間違えないようにする採点の癖、一度に全部やろうとする荷物の多さを、順に名指しします。次に、全部わかろうとすること、語の総量、文法の用語、ネイティブという基準を降ろします。そして空いた手で、音、言い切れる長さ、自分の生活の話題という戻り先を確かめます。
最後に決めるのは、あなた自身の戻る場所です。また止まった日に、ふりだしまで下りずに、そこから続けられる一点。山の途中に置く目印のようなものだと思ってください。
読み終えても、あなたは英語を話せるようにはなっていません。単語も文法も教えないのですから、当たり前です。変わるのは、次の一冊を開くときの手つきです。一ページ目から始めなくなり、知っているところを飛ばせるようになり、わからない語をわからないまま通り過ぎられるようになる。そこまで決まっていれば、教材はどれでもかまいません。あなたの手元にあるもので足ります。